関西人はなぜうるさい、関東人はなぜ物静なのか

「関西人=うるさい」と思っている人はたくさんいるでしょう。なぜ関西人はうるさい(うるさいと思われる)のでしょうか。関西人は、幼少期からお笑いの世界にどっぷりつかっていて、家庭の中でもボケとツッコミがあり、誰かがボケたら誰かがつっこむというのが当たり前の中で育ってきています。ボケるときもつっこむときも気づいてもらえないと意味がないので、自然と声も大きくなるんですね。そしてもうひとつ。関西人は周りがみんな大きな声で話しているので、自分も負けずに大声をはりあげないと存在感を示せないというのも原因でしょう。小さいころからそうやって育っているので、大人になったからといってなかなか直るものではありません。

大きな声で話していなくても、関西弁のイントネーションは耳につきますよね。嫌いな人にはたまらなくうっとおしいでしょうが、好きな人にとっては、面白いし、つい聞き入ってしまう言葉です。ちなみに関西人が面白いことを言って周りを笑わせる才能は、持って生まれたものではなく、育った環境で培われています。小さいころから吉本新喜劇を見て育っているので、吉本の芸風が身についているといってもいいでしょうね。常にしゃべっているというのも大きな声に聴こえる要因かもしれません。関西人はとにかく話し続けます。泳ぎ続けていないと死んでしまうマグロのように、話していないと死んでしまうのが関西人です。そこに話し相手がいようといなくとも話します。話し相手がいなければ、テレビや物に話しかけます。見ているほうは面白くていいのですが、物を相手にきちんと会話が成り立っているというのは、冷静に考えるとちょっとコワイかもしれませんね。

関東人は寡黙なほうが美徳とされる風習があります。品のある人は物静かで自分を主張せずおっとりしたイメージがありますよね。「金持ち喧嘩せず」という言葉があるくらい、大声で怒鳴り散らしたり、相手に向かってズケズケ言うなんてことはあまりない人種です。電車やバスの中では友達同士でも大きな声で話したりしませんよね。関西に比べて車内はとても静かです。車内のアナウンスが聞き取りやすいのは、まちがいなく関東です。

お店に対して何か気に入りないことがあったとしても、クレームをつけることはまずありません(もちろん例外もありますが)。わざわざ文句を言うぐらいならもうここには二度とこない、という判断を取ります。これがいわゆる「サイレントクレーマー」です。企業がいちばん嫌がるタイプのお客さんですね。企業にとっては、何も言わずに来なくなるお客さんより、文句を言われたほうがまだマシなわけですよ。いきなり黙って来なくなると、理由がわからないので、対処のしようがありませんよね。実はこのサイレントクレーマーが一番多いのは、関東です。

本音で会話するのが関西人なら、建前で会話するのが関東人ということになるでしょう。どちらがいいかは人それぞれですが、勘違いしないでもらいたいのですが、本音でズケズケ話する関西人に悪気はありません。相手からけなされることを喜ぶ人種なのが関西人だと思ってください。せっかくボケたのにつっこまれないと何より悲しみます。ツッコミが「何しとんねん、ボケ!」と、けなすような言葉でも嬉しいんですね。関東の人に対して「ボケ!」はヤバいですよね。真に受けて怒りだすか、落ち込むか・・・笑ってくれる人はまずいないでしょう。

このように関西人は本音で思ったことを話します。良く言うと裏表がありまません。悪く言うと無神経といったところでしょうか。悪気がないぶん、どうもパワフルになりがちなことが声を大きくしているのでしょう。