近所は知り合いだらけの関西人、近所は他人の関東人

知らない人とでもすぐにしゃべりだす関西人にとってご近所さんといえば、もう家族同然といってもいいくらい付き合いは濃厚です。ご近所の家族構成は知り尽くしているし、何かあればすぐに助け合うようなお付き合いです。関西といえども、最近はこういう付き合い方が少なくなってきてはいますけど、全国に比べるとやはり濃厚ですね。

面倒見がよくておせっかいな関西人は、隣近所の人たちに対してその本領を発揮します。例えばスーパーでトイレットペーパーの安売りがあったとします。頼んでもいないのにご近所の分まで買ってくるおばちゃんが必ず一人はいますね。「車で行ったからついでにこうてきたでー」と。仲の良いご近所さんに配って歩きます。もちろんお金は徴収しますけどね。そのへんはケチな関西人、ちゃっかりしてますよ。

特に一人暮らしをしている人の面倒を見るのが大好きなおばちゃんはたくさんいます。おかずを持ってきてくれるのはもちろんのこと、朝いつもの時間に出勤しなければ、起こしに行く人もいて、「関西の母」になりきっているのかもしれません。寮母さんでもなく、単なるご近所のおばちゃんなんですけどね。関西のおばちゃんは、面倒を見ることに生きがいを感じているので、近くに一人暮らしをしている人を見つけると、気になってしょうがないのかもしれませんね。

面倒に思う人もいるかもしれませんが、こういうおばちゃんには甘えるのがいいと思いますよ。素直に甘えていればとても良くしてくれますし、いざというとき頼りになるので、仲良くしておくことをおすすめします。本当に困ったとき、全力で助けてくれますよ。関西のおばちゃんは、甘えられると我が子のように可愛がってくれます。おせっかいすぎるところもあるでしょうが、ここはひとつうまく面倒をみてもらってください、と言いたいですね。

関東でも下町あたりだとご近所付き合いは活発かもしれませんが、都心あたりだと、まったく付き合いがない人が多いようですね。ファミリー向けのマンションですら、「両隣の人と話したことがない」「名前すら知らない」といった人が多いようです。エレベーターで会っても挨拶すらないというのはちょっと寂しいですよね。

独り用のマンションだとさらに人間関係は希薄になるのかもしれませんね。特に、賃貸のマンションになると、引っ越しの挨拶すらしない人も多いようです。入れ替わりも激しいので、仕方のないことかもしれませんね。隣がどんな人で何をしている人かもわからないのに、気安く話しかけるのはちょっとためらいますよね。関わって面倒なことに巻き込まれるのも嫌だし、かといって完全に無視して逆恨みされるのもどうかと思いますよね。こういう場合は、無理に仲良くするのではなく、エレベーターなどで会ったときに、挨拶をするだけの付き合いでいいと思います。笑顔で挨拶されて嫌な思いをする人はいないので、とりあえず誰にでも挨拶さえしておけば、相手から見た自分の印象は良くなるはずです。嫌われない程度の付き合いというんですかね。「ご近所」といっても、都心では付き合い方が難しいし、ある程度限定されるのも仕方のないことかもしれません。

なぜ関東の人は「ご近所は他人」と言いきるのか不思議でしたが、住民の入れ替わりが激しい都心ではそうならざるをえないのでしょう。こうなる背景には、全国各地から人が集まってくる地域というのが原因になっているんでしょうね。